AE86筑波タイムアタック。その過去と現在、そしてこれから

2018年03月02日 端から見た世界

「AE86勢、筑波57秒台がもう目の前」

並みのチューニングカーや中途半端な作りのクルマでは、到底踏み入ることのできないその領域に今、AE86が踏み込もうとしています。

生産終了から長い年月が経つも、いまだ進化を止めないこの車両。年々増えるAE86でのタイムアタッカーとその挑戦の結果、筑波サーキットにおけるラップタイムは短縮され続けてきました。

そして2018シーズンが終わろうとしている今、誰の目にも明らかなのは筑波57秒台への突入が目前という事実。2019シーズンに向けたスタートがされようとする今、AE86のタイムアタッカーついてに触れたいと思います。

最速のAE86アタッカー。第一人者として苦渋の選択をした“今”

筑波サーキットにおけるAE86のタイムアタックの第一人者といえば、「TS-F☆HCR☆CJ☆WM☆レビン」を駆るスワえもん♪さん。保持するラップタイムは58秒203とAE86による筑波サーキットの最速記録を持っています。

そしてここ数年の筑波サーキットにおけるAE86最速タイムの歩みは、スワえもん♪さんのベストラップにシンクロしているというのが現実です。「筑波の壁」といわれる分切りを果たしたは2012年のこと。そこから現代パーツでモディファイが進められ、2013年にはAE86で初となる58秒台入を果たしています。

「レースは捨てる」速さを得るためにされた一つの選択

AE86のタイムアタッカーといえば、全てが筑波で行われているハチロク祭のN2Sレース参戦経験者。当然レースである以上、ドッグファイトでの安全性を考慮した規則やクラス分けに準じた仕様などが組み込まれています。

「AE86 N2Sレース車両でありながら、タイムアタックにも参戦してタイムも出す。」その限界を感じ始めたとき、スワえもん♪さんはレースを捨て、“より速く”という姿勢を選択しました。

“純粋にやりたいことをやる”

その結果、AE86は他に類を見ない仕様へと変わりました。しかし大きく変わった仕様は今まで培ってきたことのすべてが活かせるわけでもなく、「タイヤの使い方に試行錯誤中…」という現状。

それでもこのAE86とスワえもん♪さんが見据えているのは、その先をカタチにすべく選んだ道。想い描いた仕様としてAE86が呼応し始めたとき、刻まれる記録はその“枠”を超えたものになるかもしれません。

AE86第二の挑戦者。最強の鎧を纏う“クリエイター”

今、タイムアタックを席捲しているドライカーボンファクトリー、御殿場炭素繊維組合。その一人であり、淡々とAE86最速の座を狙うのが「Carbonjunkie匠」のドライバーでもある「はやしたくみ」さんです。

Attackに参戦を始めたのは2014年12月の「Attack -2014- Fever60♪ Tsukuba 1221」から。(AE86のAttack参戦者としてはスワえもん♪さんの次に長い。)当時はエントリー時にまだ分切りした記録を持たず、「1分00秒970」が自己ベストでした。そして当日には「59秒635」を記録。

そこから順調にタイムアップを続け、2017年2月の「Attack-2017-Tsukuba Championship」ではAE86としては数少ない58秒台(58秒355)に入れてきました。

この車両の特徴はなんといっても積極的にドライカーボンを使ったマシン作り。数年前では考えらなかったこのAE86のモディファイを生み出したのは、はやしさんの存在があってこそ。

「純正パーツが生産終了?だったら乾炭素で作ればいい。」

AE86を愛する者として、ずっと走れる車両にすることへのひとつの提案が今、他の車種がうらやむほども選択肢をAE86に与えています。

「これを付けなきゃタイムが出ない」と比喩されるその最先端にいるクリエイター&アタッカーは今、AE86最速の座を奪還する最も近い存在かもしれません。

ある生きる伝説の宣戦布告がなければ・・・

Attack参戦は“分切り”のため。AE86仲間の後押しで実現されたドラマ

2017年2月に開催された「Attack -2017- Tsukuba Championship」。そこでAttack初参戦と筑波分切りを達成したのが「M1☆乾炭素☆Bros.☆CJ☆DM-レビン」とドライバーの攻野さん。

朝一のスーパーラップでAE86レース仲間に支えられ、成し遂げられた筑波分切り劇は記憶に新しいところ。今回のイベントでのAE86による筑波スーパーラップは、この時の感動も一つのきっかけになっています。

記事:過去の自分を越えていく。その狭間にある最高の時間

そして分切りしてもなお速さを求める姿勢に変わりはなく、その後も攻野さんと愛機はN2Sレースとタイムアタックの二足のわらじでアップデート。

今回行われた「SUNOCO presents Attack -2018- Tsukuba Championship」では59秒122を記録。いよいよ58秒台が目前というところまで来ました。

土壇場での見せた意地。AE86戦線で起きた“下剋上”

AttackのAE86参戦車両として3番目に長いのがこの「まんさく自動車ルブロストレノ」、ドライバーは竹内 真さん。Attack参戦を開始したのは2015年11月の「Attack -2015- Fever60♪ Tsukuba 1123」から。

2015、2016、2017シーズンと地元愛知から筑波に遠征し、「タイムが出やすい時期とその走行会にはだいたい竹内さんとAE86がいる」という光景を長いこと見た気がします。それでも筑波の分切りという壁は高く、0秒台でずっと苦労する姿がパドックにありました。

そして2018シーズンのAttack筑波。エントリー申込をしていたNAクラスでは「分切りの人と0秒台の速い人じゃないとセカンドクラス落ち。」という状況までラップタイムが上昇。そしてタイム更新の締め切り時には規定タイムにおよばず、竹内さんはセカンドクラス落ちとなりました。

そして・・・

あおきさん >>
今回AE86の最速決定戦的なスーパーラップやるから。分切りしているAE86が対象ね。

そこに出走することも、半ばあきらめざるを得ない自己ベストでイベントの週末を迎えることになりました。

前日走行会のパドックで上がった歓声。出た記録はまさに下剋上

2018年02月23日、Attack筑波前日走行会。翌日のためのテストと最終調整が行われた筑波サーキットのパドックに、竹内さんの姿がありました。

竹内さん >>
もし今日、分切りできたら明日のAE86スーパーラップに出ても良いって言われて…

最後の最後で見せた「意地」。日が傾くころの筑波に響いたのは分切りで周回したAE86の快音と、数字が記録になった歓声でした。

タイムは59秒679。長年挑み続けた分切りという記録。参戦当日のベストタイムとしては攻野さんの記録を抜き、焦がれたAE86スーパーラップへの出走が叶いました。

次のページ:Attack筑波初参戦のAE86とこれからのタイムアタック戦線

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